親友という言葉は、便利だった。
好きだと言わなくていい。嫉妬を説明しなくていい。距離が近すぎても、誰にも疑われない。
私は灯里(あかり)を親友と呼ぶことで、灯里にだけ嘘をついていたのかもしれない。
律は怒らなかった。それが一番つらかった。
「俺と別れた理由、それだった?」
違う、と言いたかった。けれど完全には違わない。灯里が周と付き合い始めた夜、私は律に別れを告げた。
水曜日の海の封筒には、続きがあった。
「私は、あなたに好きと言われた日、嬉しかった。嬉しかったから、笑った。笑ったから、あなたを傷つけた」
周は目を伏せた。彼もまた、その夜を知っていた。
灯里は悪役ではない。私も被害者ではない。律もただ捨てられた人ではない。
4人とも、誰かの優しさを言い訳にした。
店の外に出ると、灯里からメッセージが届いた。「結婚式、来ないで」
そのあとに、もう1通。「でも、止めに来て」
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四人目の恋人
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