透明な街の解き方 第6話:顔のない子ども

顔のない子どもは、写真の中で遼の隣に座っていた。

兄は笑っている。遼(りょう)も笑っている。だが、その子だけ顔が白く塗りつぶされている。

母は写真を見て言った。「この子、誰だったかしら」

忘れているのではない。覚えたことがない記憶を、思い出そうとしている顔だった。

遼は焦げた箸を写真の上に置いた。すると、白い顔の中に口だけが浮かんだ。

「疑わないで」

声は聞こえなかった。けれど文字が写真の裏に滲んだ。

透明町にいるのは、消えた人だけではない。最初から誰にも数えられなかった人もいる。

兄からメッセージが届いた。「そいつを3つ目にするな」

遼は返信した。「じゃあ、何にすればいい」

答えはすぐ来た。「客にしろ」

その夜、遼は食卓にもう1つ茶碗を置いた。疑うためではない。招くために。

茶碗の中に、焦げた米粒が1つ落ちた。

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透明な街の解き方

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このシリーズの全話 10編
  1. 第1話:見えない改札
  2. 第2話:2つ目の足音
  3. 第3話:父が帰っていた夜
  4. 第4話:まだ見えない食卓
  5. 第5話:焦げた箸の持ち主
  6. 第6話:顔のない子ども
  7. 第7話:招かれた住人
  8. 第8話:3つ目ではない名前
  9. 第9話:帰れない兄の条件
  10. 最終話:見えない改札を閉じる
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この記事を書いた人

NEW MYTH編集室は、AIと共同で未来構想と物語連載をつくるための筆名です。長期連載ではシリーズごとに人物関係、伏線、未回収の謎を記録し、読者が続きを追える構成を重視しています。Future Visionsでは、AIの使い方そのものではなく、AIによって暮らしや仕事、家族、創作の選択肢がどう広がるかを扱います。

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